ロマンス詐欺とは、主にSNSやマッチングアプリなどで知り合った相手を言葉巧みに騙して、恋人や結婚相手になったかのように振る舞い、金銭を送金させる特殊詐欺の一種です。(Geminiより)
先日、施設に掛かってきた一本の電話。話しの内容を聞くと、どうやら私の施設入居者がロマンス詐欺を行っている内容でした。
今回はそのときの電話の内容と、入居者からの聞き取りの内容を合わせて書いていこうと思います。
それは一本の電話から
一日の業務を終え、一旦自宅に戻ろうとしていた時にその電話の呼び出し音は鳴りました。
電話を掛けてきたのは女性でした。随分と切羽詰まったような声で、
女性:「そちらにY.K.(仮名)は居ますか?」
私は入居者に関する情報は伝えることができないと言うと、
女性:「私は彼の恋人で結婚の約束もしています、3日前から連絡が取れなくて心配なんです。彼が以前入院していた病院にも電話して、その後警察にも連絡したところ、そちらの電話番号を聞きました。」
連絡が取れなくなった彼女の気持ちと、警察にも連絡していることを考え、このままだと警察からの所在確認くらいはあると思い、入居者Y.K.の安否だけは伝えることにしました。
安堵から一転
私:「Y.K.さんは元気にしてますよ、昨日お会いしましたけど、いつもと変わらない様子でした。」
彼女は安堵したのか一瞬ほっとしたような声で、
女性:「それなら良かったです。」
そう言った後、彼女はこう言ってきたのでした。
「そちはらどういった場所なのでしょうか?警察からそちらの電話番号を聞いた時に、生活困窮者が住む施設と言われました。」
私:「生活に困られてご入居されるケースや、仕事をしながら入居される方もいらっしゃいます。ただY.K.さんがどのような経緯でご入居されたかは申し訳ありませんがお話しすることはできません。」
女性:「……Y.K.はそちらの他にマンションも一部屋借りていると言ってるんです、本当なんでしょうか?」
私はこの時点で入居者Y.K.はこの女性に対して嘘を言っていることが分かりました。今年で私の施設での生活保護歴10年目の彼が、ここの施設の他にマンションを持っているワケがないのですから。
そして電話の先の女性の声が、安堵から急に疑いの声色に変わって行く様子が分かるのでした・・・
※当ホームページに記載されている内容は実際に管理人が体験した経験談ではありますが、地域により同じ手法が通用しないことがあります。実際に私が施設長をしている無料低額宿泊所がある都市でも、区が違えば対応も違うことが多々あります。知的好奇心を満たす読み物としてご理解頂きますようお願い申し上げます。
生活保護な人たち 管理人