今回は精神病院に入院中の入居者の今後について、病院の担当支援員から連絡を頂いた時の話しです。とても難しい問題であり、私なりに考えることもありましたので紹介致します。
人物像
2か月ほど前に精神病院に入院された入居者がいました。定期的に入退院を繰り返している方で、私の施設で生活されている時は、朝、昼、夕、寝る前に事務所に来ていただいて薬を飲んでいます。調子の良い時と悪い時の差が激しく、悪い方向に向かうと幻視や幻聴が出てきて被害妄想が強く出る、統合失調症を患っている方です。調子の悪くなるキッカケは大体決まっていて、生活保護受給日から一週間ほど経過してからが多いです。
また、精神障害者2級を持っているので障害者加算が付き、他の入居者よりも17000円ほど自身で使えるお金が多いです。
彼はスロットが好きで受給日になると、暫くはスロット三昧の日々です。ただしギャンブルである以上、彼が勝ち続けることはありません。時折勝ちが続く時は、月の中頃まで笑顔で過ごす日々が続きますが、負けが増えてお金が無くなってくるとみるみる暗い表情に変化していきます。
これ位の状況で次の受給日を迎えられれば良いのですが、月初すぐにお金を失うと翌月の受給日までの期間が長いので彼の状態が悪くなる傾向があります。
このような繰り返しをしていく中で、彼の精神状態の悪くなっていくのは必然でした。過去にも自暴自棄になり警察に連れて帰られたり、コンビニで急に死にたいと店員に言ったりと、いろいろありました。
そんな中、今回の入院は彼からの希望により至りました。
病院からの電話
入院して1カ月ほど経ったころ、入院先の医療ケースワーカーから電話がありました。
内容は、入院した日は受給日のすぐ後なのに所持金は殆どなく、診察していく中で重度のギャンブル依存症である。今後は退院先を私の施設ではなくグループホームに住居を移して治療していく計画があるということでした。
勿論私は医師ではないし、医療のことも分かりません。
しかしグループホームで生活することで彼のギャンブル依存症が治るのでしょうか?週に何度か同じような境遇の方たちと輪になってグループセラピーを行い、体験談を話して共感することで治るのか?
私は疑問でした。お金が無くなることで彼自身状態が悪くなることは分かっているので、アルミ缶を集めて収入を増やしたりしていました。グループホームに入居すると私の施設より費用は高額なので、当然自由に使えるお金は少ないです。入所先として考えているグループホームでは、毎日外に出てB型就労など何かしらの活動をするようで、それに対して職員の同行はないと言っていました。
それ、パチンコ屋に行けますよね?
依存症
私の施設に入居されている方で依存症(アルコール等)で精神病院で入院された経験がある方が数名いらっしゃいます、皆さん入院中には上記にあるように依存症の方たちと輪になって体験談を話す治療やカウンセリングされてきています。
では、その方たちは依存症が治って退院してきたのか?
少なくとも私の施設に入居された方たちは、誰ひとり飲酒を止めれていません。退院したその足でコンビニに向かい、久々のアルコールに喉を鳴らせながら勢い良く飲んでいます。
何度も書きますが私は医師ではないですし、治療のことは分かりません。
禁止薬物であれば、治さなければいけないでしょう。
しかし、その他の依存症はうまく付き合っていくしかないのではと私は考えています。何故なら完治が難しいから。彼の場合、事件や警察沙汰にならないように収入を増やす努力をしていました。
彼の住む場所は彼が決めれば良いと思います、ただグループホームでできることは私の施設でもできます。
何故グループホームをそこまで推薦するのか疑問です。
深夜、パトカーで帰ってくる彼の対応をしっかりとできるのか。
せめて思うのはグループホームに入居した後、24時間起こる様々なトラブルに対応していただける施設に入居することを願っています。
※当ホームページに記載されている内容は実際に管理人が体験した経験談ではありますが、地域により同じ手法が通用しないことがあります。実際に私が施設長をしている無料低額宿泊所がある都市でも、区が違えば対応も違うことが多々あります。知的好奇心を満たす読み物としてご理解頂きますようお願い申し上げます。
生活保護な人たち 管理人