無料低額宿泊所とは④

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生活保護を受けている方が病気になったりケガをした場合、受診や入院はどうなるのでしょうか?私の施設の入居者を例に書いていきます。

医療にかかるには?

生活保護の扶助のひとつに「医療扶助」があります。生活保護を受けている方は基本的に医療を受ける場合には医療扶助を使い病院に行きます。(精神的な病気を患っていて特定の精神病院を受診する場合は、生活保護を受けていても自立支援医療を使う場合もあります。)いずれの場合も生活保護世帯の自己負担は掛かりません、0円です。

行く病院を決めて、役所に「医療券」を発行して貰います。例えばお腹が痛い→役所行く→医療券を発行となるのですが、どこの病院に行くかを決めておいた方が良いです。この場合、内科になると思いますが積極的にケースワーカーから「○○病院に行って下さい」とはなりません(大人の事情で)。

勿論、気の利くケースワーカーなら「○○病院か、○○医院はどうですか?」と提案してくれるかもしれません。

受診が終わった後は薬の処方となるわけですが、当然お金は掛かりません。生活保護ですので。薬局でも処方箋を一目見て生活保護者と分かるようになっていますので、周りの患者にも気付かれずに薬を頂けます。

入院する場合

入院も同じく医療扶助が使われます。入院費、治療費、手術代の全て。我々が入院した場合の保険医療で受けられる全てが自己負担なしで受けることが可能です。

退院時に渡される医療明細を見る度に、その金額に驚きます。時には百万を超える医療費の自己負担はありません、無料です。ただし、入院中に使うタオルやパジャマなどは医療扶助の対象外なので自己負担になります。タオルやパジャマの持ち込み可の病院もあるのですが、私の施設でそもそもパジャマを着て寝ている方は5%未満でほぼ見たことがないです。

病院に行き過ぎる

すぐに病院に行く方が非常に多いです。アタマが痛い、お腹が痛い、少し熱っぽい…いや、具合が悪いのであれば病院に行けばいいとは思いますが、私たちが少しの体調不良になっても一日二日様子を見たりしませんか?治ってしまえば医療費も浮きますし、時間も取られないし。

生活保護な方たちはすぐに行くんです。医療費が無料だから?暇だから?私には分かりません。大したことなさそうだから行かなくてもいいのでは?そう思っても言えません。大したことない場合もありますし。

逆に全く行かない人。このタイプの方達に頭を悩ませます。私たち職員が見ても明らかに病院に行かないとダメなのに極限まで行きません、最後は説得して救急車を呼びます。こんな状況になる前に病院に行ってくれていれば予後の回復も早いのですが。

入院中の住居はどうなる?

入院が長引いた場合、役所から6か月間は住宅扶助は支給されるので、私の施設では入院が長引いた場合でも住居の確保は6か月間は大丈夫です。そのあたりは入居された無料低額宿泊所と入居者との契約次第だと思います。

個人的に退院後の住居の確保をしてあげるのことは、福祉的側面から考えても必要だと思います。

ただし、医師の判断で治療が終わっても私の施設に戻ることが不可能となれば(老人ホームなどに転居など)、以降は住宅扶助が支給されなくなるので契約解除となります。

まとめ

生活保護の基準額を越えた所得はあるが、ギリギリの生活をしている低所得の方はたくさんいらっしゃると思います。そういった方たちは病院に行くことを我慢されていると思います。一生懸命働いても病院を受診する為のお金が勿体ないと。そしていつしか体力も無くなり健康を害され亡くなられているのかなと思うと感慨深いです。

私の施設の入居者は基本的に健康です、何故ならすぐ病院に行くからです。無料ですから。

 

つづき→無料低額宿泊所とは⑤

 

 

※当ホームページに記載されている内容は実際に管理人が体験した経験談ではありますが、地域により同じ手法が通用しないことがあります。実際に私が施設長をしている無料低額宿泊所がある都市でも、区が違えば対応も違うことが多々あります。知的好奇心を満たす読み物としてご理解頂きますようお願い申し上げます。

生活保護な人たち 管理人

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